【艦内風景その3〜ニキ隊長をドッキリ企画でビビらせよう!〜】 ※前回に引き続き自分のSSの設定を流用しております。 カチュア「ねぇねぇショウ」 ショウ「ん、なに、カチュア」 カチュア「この間ドッキリ企画の番組見たんだけどさ」 ショウ「ドッキリ……ああ、芸能人の人たちを騙して皆で笑うやつだよね。騙される人たち可愛そうだよね」 カチュア「あれ見て大笑いしちゃって」 ショウ「うん……正直ちょっと趣味が悪いと思うよ」 カチュア「何よその言い方。感じわるーい」 ショウ「で、それがどうしたの?」 カチュア「ウチの艦でもやってみない?」 ショウ「え……誰に?」 カチュア「うーんと……出来るだけ普段真面目な人がいいんだよね……ラナロウは?」 ショウ「殴られるよ!」 カチュア「そうかな……じゃあネリィ」 ショウ「踏まれるよ!」 カチュア「そうかな……じゃあジェシカ隊長」 ショウ「潰されるよ!」 カチュア「もう! ショウ文句ばっかり!」 ショウ「そもそも人選が無茶なんだってば」 カチュア「じゃあ誰がいいのよ」 ショウ「え? うーん……」 サエン「ニキ隊長なんかどうだ!?」 ショウ「うわ、サエンさんどこにいたんですか!?」 サエン「ハハハ、サエンイヤーは女の子に対しては地獄耳なのさ!」 ショウ「冗談だと思いたいけど否定しきれない……」 サエン「そんなことよりもさすがカチュアちゃん、なかなか面白いこと考えるねぇ」 カチュア「じゃあサエンも協力してくれるの?」 サエン「当然。そうと決まれば早速作戦開始だな」 ショウ「大丈夫かなあ」 〜数日後〜 空き倉庫 ニキ「それで、私に話というのは?」 ショウ「え、ええと……」 カチュア(ちょっと、ちゃんとやってよショウ) ショウ(そんなこと言われても……) サエン「いやあそれがねニキ隊長、本社の方からすごく高い壺を輸送するようにって指令が来たんだってさ」 ニキ「指令、ですか? 私は聞いていませんが」 サエン「そう? おっかしいなぁ。まあいいや、ほら、これだよ、これ」 ニキ「はあ」 サエン「時価数億なんだってさ」 ニキ「それは……凄いですね」 サエン「そりゃもう。思わずこう、『チーン』、と鳴らして」 カチュア「『いいものなのですか?』」 サエン「『北宋だな……』とかやりたくなるぐらいに!」 ニキ「よく分かりませんが……ふむ……」 カチュア(見てる見てる……ここで『なるほど、さすがに高価なだけあって神がかったものを感じます』とか言ってくれると番組的に最高なんだけど!) ショウ(番組って何だよ……) ニキ「……申し訳ありませんが、私にはよく……」 サエン「そ、そう?」 ニキ「ええ……すみません、無教養なもので」 サエン「い、いやぁ、気にすることないよ。正直俺もこんな壺の何が凄いんだかサッパリ分かんないし!」 カチュア(うー、つまんないなぁ) ショウ(ニキ隊長、正直だね) サエン(そんな飾らないところがまた最高だぜ!) ニキ「とにかく、これを無事に送り届けるのが任務なのですね?」 サエン「そうなるねぇ。どう隊長、ちょっと触ってみない?」 ニキ「いえ、それは良くないでしょう。万一傷でもつけてしまったら……」 サエン「まあまあ、後学のために、ね? こんな機会後は一生ないかもしれないんだしさ」 ニキ「……しかし」 サエン「ね、大丈夫だって、さっき俺もカチュアも触ったし」 カチュア「いい肌触りだったよねぇ、ワタシなんか『これはいいものだー!』って叫んじゃったし」 サエン「こう、ビリビリ来たよな。何かに開眼できそうな。な、ショウ」 ショウ「え? あ、はい、そう……ですね」 ニキ「……それでは、お言葉に甘えて少しだけ……」 サエン「お、さすがニキ隊長」 ニキ「ええ。高尚な作品というのは心を豊かにしてくれるものだと聞きますし……」 カチュア「ささ、遠慮なく、べたっと!」 サエン(よし、ニキ隊長が触るのと同時にだぞ! あの壺はボタン一つでバラバラだ! やれ、ショウ!) ショウ(うう……ごめんなさい、ニキ隊長!) ニキ「……」←触れた 壺「パリーン」←割れた ニキ「……」←絶句 サエン「あああああああ! 壊れた! 時価数億の壺が!」 ニキ「……」←呆然 カチュア「きゃあああああ! どうしよう! ワタシたちが一生働いても買えないほど高い壺をニキ隊長が壊しちゃったー!」 ニキ「……」←真っ青 ショウ「う、うわあ、大変だあー」 カチュア(ちょっと、何よその棒読み!) ショウ(そ、そんなこと言われても……) サエン(ふふ……まあまあ。これで『ど、どうしましょう!?』とか涙目で慌てふためく可愛いニキ隊長が見れるんだぜ!) ショウ(そ、そんなの……) ニキ「……」←懐に手を伸ばす サエン(お、赤くなったなショウ! 正直な奴め) カチュア(ショウのへんたーい! やらしーんだー) ショウ(ち、ちがっ、これはそういうんじゃ……) ニキ「……」←銃を取り出す 三人「え?」 ニキ「……」←こめかみに当てて目を閉じる。 サエン「ちょっ、待っ」 カチュア「早まらないでー!」 ショウ「冗談ですってばー!」 結論。 シャレになりませんでした。 ジェシカ「とりあえずお前ら罰としてミンチな」 三人「いやぁぁぁぁ!」